
山の上の陶器市
会期:9/1(日)〜16(日)10:00-17:00
会場:東北芸術工科大学7Fギャラリー MAP A
入場:無料
カテゴリー:現代山形考

2014年の第1回開催以来、6回目を数える「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2024」は、初めて、蔵王温泉と東北芸術工科大学を会場に実施することに決定しました。2020年より医師の稲葉俊郎先生を芸術監督としてお迎えし、「山のかたち、いのちの形」(2020)、「いのちの混沌を越え いのちをつなぐ」(2022)をテーマに開催してきた本芸術祭に対して、西暦110年開湯といわれる蔵王温泉は、1900年余りの長きにわたり、人びとの心身を癒し、まさしくいのちを育む場所としてその歴史を刻んできた土地にほかなりません。
そうした日本有数の温泉地で開催される山形ビエンナーレ2024のテーマは、「いのちをうたう」。この「うた」のイメージを私たちにもたらしたのは、1882年、蔵王連峰を望む山形県南村山郡金瓶村(現・上山市)に生まれ、医師として働く一方、生前17冊の歌集を発表し近代文学に大きな足跡を残した歌人・斎藤茂吉(1882-1953)の存在でした。斎藤茂吉が詠んだ17,000首を超える短歌には、蔵王についての歌も多く含まれ、それらは、この土地とそのただ中で生きた人のすがた、感情を今にありありと伝えています。
本芸術祭は、温泉も含めた蔵王の風土、そして斎藤茂吉をはじめとする蔵王で生まれた芸術文化からも大きなインスピレーションを得ながら、この時代の「いのち」と「うた」について、4つのプロジェクト——「ひとひのうた」「山と土と茶と」「現代山形考~山はうたう~」「SUMMER SCHOOL」——によって表現するものです。名湯が点在するまちなかで、訪れた皆さまのいのちを養う芸術祭に、ぜひご期待ください。いま、蔵王から、ともに「いのち」を「うた」いましょう。
アーティスト
小金沢智
グラフィックデザイナー
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